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憲法改正について
2015-08-12

本当は,安全保障関連法案についての記事をあげたかったのですが,カメペースで編集しているので時間がかかり,先に憲法について記事を投稿したいと思います。

結党以来,自主憲法制定を党是とする自由民主党は,平成十九年に「日本国憲法の改正手続に関する法律」(何故だか「憲法改正国民投票法」という略称。)を制定し,平成二十四年には,「日本国憲法改正草案」を党内で決定しています。

十数年しか生きていませんので,何でも知っているわけではありませんが,自由民主党の党是が自主憲法制定であったというのは,初耳でした。さて,憲法改正は必要かという極論でありますが,私は遅かれ早かれ,いずれは必要であろうかと思います。

自由民主党のご意見を全て鵜呑みにするつもりはありません。あくまで「自主憲法制定」というよりかは,「憲法改正が遅かれ早かれ,いずれは必要だ。」という意見であります。

当時を存じ上げないので無責任なことはいえませんが,「自主憲法」という表現を私は好きません。GHQが,憲法改正草案の作成を要求し,その草案があがってきた。ふたを開けてみると大日本帝国憲法(明治憲法)とあまり変わりない内容であったからGHQが草案作りの着手したと(松本案)。八日だけで作成されたものでなく,実際は準備期間があるわけで適正な作業が行われたということ。そして,原案は民間の憲法研究会が作成した「憲法草案要綱」がGHQ草案の基となった。国会議員を再選し,国会に草案を付し,国会において修正や追加が行われた。第九条第二項に「前項の目的を達成するため」という文言を追加する芦田修正と後にいわれるものがあったと。このような情報もあります。

前文

前文は,大変に崇高で,変な話,拝む勢いでありますが変わりゆく情勢を鑑み,そして,憲法改正を機に,前文も改正しても良いと思います。現在の前文は,おそらくアメリカ式の民主主義が根付く前ですから「日本国民は,正当に選挙された」とありますが,これは,重要なことではありますが,今の情勢を鑑みるに明記する必要はないと考えられます。

第一章 天皇

第一章の天皇陛下に関する章では,国家元首を天皇陛下とする趣旨の規定をするか否かの議論があります。私のイメージでは,国家元首が国を掌る(正確には政治に何らかの形で参加する)というものがありましたが,どうやら今の天皇陛下の公務形態であらせられても国家元首というに足りるようで,イメージとの差異にドギマギしています。従来から国家元首は天皇陛下であると心しておりましたが,いざ明文化となると。

話がずれますが,私は,別にどちらにも傾いていないつもりですが敬意を払う一心で「天皇陛下」とお呼びしています。疑問なのは,憲法では,なぜ敬称となる「陛下」を付さないのか,という点。そして,在位中の天皇陛下については敬意を払うにもかかわらず,ご退位された天皇陛下については,敬意を払わないとはいいませんが,表現が尊敬語でも敬語でもなくなるというのも不思議なところです。

国会議員の総選挙の施行を公示することが天皇陛下の国事に関する行為に含まれていますが,衆議院議員は総選挙で,参議院議員は通常選挙というので差異が生じています。ただ,公職選挙法と憲法の作成の関係を存じ上げないので何ともいえませんが。

第二章 戦争の放棄

第二章の戦争放棄ですが,憲法学者の方にも自衛隊が違憲とのご意見を示される方がいらっしゃるので,個別的自衛権と日本の国民を守るための限定的な集団的自衛権の行使容認の旨を明記し,また,必要ならば「自衛隊」という文言を盛り込むことも必要であろうかと思います。「戦争放棄」でなくて「平和の希求」でもよかろうとも思います。俗にお花畑的と揶揄される思想だと思いますが,現実味を帯びた言わばお花畑に自然の威厳を視野に入れた感じでしょうか(自然災害,虫,動物など)。

第三章 国民の権利及び義務

第三章ですが,ほとんど変える必要はないと思います。インターネットやストーカーなどに対応できていないといわれます。裁判所が認定をしていますが,これに関する諸権利は,十分に現行憲法の条文で対応可能です。

仮に規定するにしても,憲法たる一種の方向性を示す効果をもたらすものに,国民の権利として規定されるべきは,基本的人権などの根幹を示すさまざまな諸権利を箱に分類するインデックスする権利を規定することが望ましいのではないかと思います。

一番の理由は,逐次,規定していたら規定がなければ認められないのか又は保障されないのか,と捉えられかねないことがあります。また,詳細に規定すればするほどに,足りない部分が発生するおそれがあると考えます。不変の考えにするため,憲法に規定することに意味がある場合もありますが。

婚姻についてですが,これは,現行憲法の趣意を変えることなく改正することが望ましいと思います。「両性の合意のみに基づいて成立し」という文言は含むのは,不変の考えだと思います。この規定ですと憲法では,同性愛の婚姻を否定しているものでないといえます。

ただ,根拠法を調べていませんが,法律上は同性結婚は認められていません。親や家柄などで本人の意思に関係ない婚姻があったため,これを排除し,当事者の意思に委ねる。つまりは,当事者の意思を尊重すること,一種の人権を尊重するために規定されたのが「両性」であるという考えから,憲法の規定は,同性婚を否定するものでないという意見があります。

これを覆す要素は,「両性の合意に基いて成立」に続く「夫婦が同等の権利を有することを基本として」や第二項の「配偶者の選択」という文言です。日本語は,捉えように因ることがあります。両性の「両」を単に二つのものと捉えるか,「両」を異なる二つのものと捉えるかです。二つのパンがあって,「二つとも食べる」ともいえますし「両方とも食べる」ともいえます。「両者」というときには,異なる二者のことを指します。このように,言葉によって意味するところが異なることがありますから注意が必要です。

「男女」でなく「両性」とした意図があるのか,同性愛について考えを巡らせなかったのか,「夫婦」という文言があるから「男女」としなくても良かったのか不詳ですが,人権もとい情を考えるに同性愛を認めたいところです。ただ,原則,法に感情論を持ち出すのはよろしくないと思います。

国民の三大義務と呼ばれるもの(納税の義務,勤労の義務,(子女に)教育を受けさせる義務)があります。これを権利に代えては,どうかと考えています。そして,この権利とその行使を放棄をできない権利と定めます。権利を放棄させないというのは,いかがなものかと思われますが民法には,権利の放棄に制限を定める条項がありますので,あまり問題はないと思います。

義務ではなく,権利にすることによって納税であれば,いっそうに税金の使われ方について監視することができ,必要な報告を求めることができ,納税の権利により付随してさまざまな権利が発生すると考えます。勤労も国家の繁栄などのために勤労する趣意の下に存する権利となるために,国が適正な労働環境を整備する権利や快適な勤労環境を求める権利などが発生します。教育についても適正な教育を行い,学校の所管に属するものについては,これを監視し,適正な対応などを求める権利などが発生します。

第四章~第八章

次のとおり仮名遣いを改め,第七十九条第六項及び第八十条第二項の報酬を在任中に減額することを無条件に制限する規定を改めるくらいだと思います。それ以外は,思い当たりません。「あつて」を「あって」にするという促音の修正ですが,憲法は二つも三つもないので「っ」とするのが相応しいと思います。複数ある法律は改正案に促音をいれると「あつて」と「あって」などが混在するおそれがあるため,また,どの法律で促音が「っ」で,その法律で「つ」なのか面倒なので促音は「つ」で統一しているところであります。

  • 「但し」→「ただし」
  • 「議員たること」→「議員となること」
  • 「問はれない」→「問われない」
  • 「いづれか」→「いずれか」
  • 「行ひ」→「行い」
  • 「前項但書」→「前項ただし書」
  • 「失ふ」→「失う」
  • 「失はせる」→「失わせる」
  • 「,且つ」→「,かつ,」
  • 「又」→「また」
  • 「有すると有しないと」→「有するか有しないか」又は「有するか否か」若しくは「有無」
  • 「負ふ」→「負う」
  • 「外」→「ほか」
  • 「左の」→「次の各号に掲げる」
  • 「これがため」→「これにより」
  • 「行ふ」→「行う」
  • 「虞」→「おそれ」
  • 「なつてゐる」→「なつている」
  • 「基いて」→「基づいて」
  • 「従ひ」→「従い」

第九章 改正

私のお気に入りは,第九十六条第二項の「天皇は,国民の名で,この憲法と一体を成すものとして,直ちにこれを公布する。」です。国民に主権が存することを重んじた規定だと思います。それはさておき,両議院の三分の二以上の賛成というのは,ハードルが高いときもあれば難なく超えることできるときもあるわけで,一概に改正すべきであるとはいえません。

第十章 最高法規

自由民主党が党内で決定した憲法草案では,国民にも憲法尊重擁護義務が付されています。確かに主権者たる国民が,この憲法を制定するわけで,その制定者自身がこれを冒涜するようなことがあってはならない(冒涜するようなことがあるのは不自然)という考えはありますが,この義務を国民に付すことによって離婚等々が違憲と判断されることとなりかねません。変な話。

わざわざ明文化しない方がよろしいかと。明文化しなくとも国民には,常に公共の福祉のために,その権利を行使するよう規定されていることですし,この理念の下に法律をもって国民を罰することが可能となっているわけです。

自然災害等の緊急事態

自由民主党が主張するとおり,変な話,任期が満了すれば自然災害の翌日であっても解散などをしなければならないのは,事実であると考えます。そういった緊急事態・非常事態の特例を設けることは必要だと思います。

外国人参政権

外国籍の方であっても日本に住まう以上は,日本の政治に参加する権利があるという意見があります。簡単にいえば,お金儲けを主たる目的としなかった元来の株式(会社)と似た構図になってきているように思えます。一定年数,日本にお住いの方について認めるか否かの議論はあっても良いと考えますが,無条件に認めるか否かという議論は不適切と考えます。

結局,国籍というのは保証に近しい事実だと思います。外国籍であるといつでも本国に戻ることができること,もとい,本国の意見を共有し日本国においてその意見を反映させようと試みるおそれがあることなどを考えると,日本国籍に限ることは保証であるように思えるのです。

EUでは,外国人参政権が認められているという話がありますが,どうやらEU加盟国間で,そのEU加盟国の国籍を有する者について限定的に認めているという情報があり,やはり外国人参政権について日本においては慎重にみるべきです。日本は日本らしい内政を行うことが素晴らしいことと思いますので,外国人の方の価値観は新鮮であろうかと思いますが,日本としての日本人としての意見が強くとおることが一番であると思います。

自由民主党の日本国憲法改正草案

自由民主党の日本国憲法改正草案を拝見して若干の意見を呈します。引用していると膨大な量になるので,改正草案のpdfファイルをご参照いただけると幸いです。

前文

草案の前文は,現行憲法と対比するに稚拙だというご意見が散見されます。私も前文については,稚拙だとか幼稚だとかはいいませんが,現行憲法と対比すると威厳に欠けるところがあると思います。自由民主党としては,日本が素晴らしい発展を遂げ,日本が一丸となって良い国家の形成に尽力する旨を直に表したのだと思います。

第一章 天皇

「日本の元首は天皇陛下だ」「行政権を掌る内閣総理大臣が日本の元首だ」という国家元首を巡っての意見がさまざまだったようで,これを明確にしようという話から第一条に天皇陛下を象徴に据え置きながら国家元首である旨の規定をしたのだと思います。

第三条には,全二条と別記第一,第二から構成される国旗及び国歌に関する法律(略称「国旗国歌法」)を吸収する規定がなされています。天皇陛下の章に国旗及び国歌について規定するのは,不思議に思いますが,天皇陛下が日本国と日本国民の象徴であることを理由に,同じく日本国を象徴する国旗と国歌を規定したのだと考えらえます。ただ,楽譜や寸法がないのでどうするのかなーという疑問は残ります。国旗国歌法を残して憲法にも明記するお考えなのでしょうか。

第四条も,全二項から構成される元号法からもってきた規定となっています。天皇陛下の章に規定するのは,不思議に思えるところですが,おそらくは皇位継承に際して元号が変更されることを理由に含ませているのだろうと思います。

第六条第一項の「天皇は,国会の指名に基いて」を「天皇は,国民のために,国会の指名に基づいて」に変えたのは,天皇陛下を敬う気持ちを表したのだと思いますが,わざわざ明記する必要があるのか分かりません。第四項の「内閣の助言」を「内閣の進言」に代えたのも敬う気持ちを表したものといえます。これについては適当だと思います。

第二章 安全保障

第九条第一項の本質的意味は変えていないものの(厳密には国際紛争を解決する手段としての武力による威嚇及び武力の行使を用いないとしているものの,国権の発動たる戦争のように放棄はしていません。放棄たる言葉はありませんが放棄に変わりはないので一応の問題はありませんが。),若干の手直しくらいでよかったのではないかと思います。

第九条第二項の物議をかもした条文を削除し,自衛権の発動を妨げない旨に置き換えています。追加される次条で,削ったものを量を増やして軍隊について規定しているので,まずまずといったところですが。

例の自衛隊を国防軍と改称し,その活動域を拡大するという第九条の二。実質,この改正草案にかかれていることは,安全保障関連法案中にあり,かつ,先般の解釈改憲と呼ばれるもので合憲とした集団的自衛権と密接に関係のあることで,そのものといっても過言でないと思います。

「内閣総理大臣を最高指揮官とする~」という半ばおっかない表現のある第九条の二ですが,実は自衛隊も防衛大臣が最高指揮官でなくて内閣総理大臣が指揮官なもので,何も驚くことはないのです(自衛隊法第七条)。

国防軍は,我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保することを任務とし,これを遂行する際は,法律の定めるところにより,国会の承認その他の統制に服するとされています。また,国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し,又は国民の生命若しくは自由を守るための活動,国防軍の組織,統制及び機密の保持に関する事項,国防軍に審判所についても法律に委任されています。

先述のとおり,憲法には基本的な方向性を示すべきという(あくまで私見ですが)考えに照らして,法律に委任することは望ましいところですが,いたずらに変えるべきでないものは憲法に示すべきです。私が基本的な方向性を示すべきというのには,情勢に臨機応変な対応が望めないなどの理由から権利について細かく定めるのは,不適当というまでで,なんでも法律に委任すれば良いというわけではありません。

安全保障関連法案に自衛隊法の一部を改正する法律案が含まれますが,任務に国民を守ることを規定していません。従来から自衛隊は,国の平和と独立を守り,国の安全を保つため国を防衛することを主たる任務とし,必要に応じ,公共の秩序の維持に当たることとしているので,国民の生命などという文言を付すならば,この規定のある第三条を変える必要があるわけで。おそらくは,改正憲法が制定された暁には,自衛隊法改め国防軍法に規定する国防軍の任務に国民の保護を含むのでしょう。

第九条の三に「領土等の保全等」というのがあります。正に情勢を意識した規定です。「国民と協力して」というのが気になりますが,要旨としては理解できます。

第三章 国民の権利及び義務

大変に反響の大きい章です。「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し,常に公益及び公の秩序に反してはならない」。正に自由民主党が主張する「義務を遂行せずして権利を主張しないでほしい」というものが単刀直入に示された部分です。

「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」と改めた点。これまで「公共の福祉」で何の問題もなかったと思います。むしろ,この方が道徳や倫理といったものを網羅するものと解され,便利です。「公益」や「公の秩序」の基準が曖昧なのが難点で,時の政府に反抗することを規制される危険をはらんでいます。

刑事罰が規定されている法律を刑罰法規と呼びますが,この刑罰法規は,憲法に規定される国民の権利が不当に侵害される行為を制限する,憲法が根拠となるものなので憲法に曖昧なことを示すと,いかようにも法整備ができてしまいます。

法の下の平等に「障害の有無」,選挙権に「日本国籍を有する」,いわゆる説明責任,在外国民の保護,犯罪被害者の保護,議員及び選挙人の資格に「障害の有無」を加えた点は,大変に喜ばしい限りです。障害者の方を差別しないよう,しっかりと明記することによって憲法の下に法整備がしやすくなるといった効果が期待できるのではないでしょうか。

犯罪被害者の保護についてですが,要はマスメディアの取材を一定範囲に制限したい狙いがあるように思えます。犯罪加害者についても同様にすることが望ましいと考えます。マスメディアは,目に余る取材をすることもありますから過保護と化さず,ただ,その常識を逸脱することとならないよう,最低限のラインで制限が入るべきです。

苦役からの自由という条項ですが,具体的に「経済的又は社会的関係において」といった感じに限定してしまうと解釈に差異が生じてしまいます。要は「○○的」の○○に別の言葉が当てはまるときは,その「○○的」な関係においては,許されると解釈されてしまうおそれがあります。法には,具体的にすればするほど良い面がある場合と,具体的にすればするほどに都合が悪くなることがあります。

新設の個人情報保護条項ですが,個人情報保護を訴える私であっても複雑な気持ちです。「何人も,個人に関する情報を不当に取得し,保有し,又は利用してはならない。」。憲法に示すことなのかという疑問と,到頭,個人情報の保護に関する法律に抵触する方は,同法違反のみならず憲法違反になる時代になったのかと。

政教分離についてですが,第二十条第三項をあのように改めるのには,慰霊式などの行事への参加に当たり,その様式から宗教への関与になるおそれを払拭するための,要は忌避策と思われます。

第二十一条(表現の自由)に第二項が登場です。例の「公益及び公の秩序」に反する活動や結社を禁じています。法には,実質,同じ趣旨のことでも言及して規定することがあります。これが,その一例であると考えます。改正第十二条(国民の責務)において「常に公益及び公の秩序に反してはならない。」とあるので,実質,改正第二十一条第二項に,このような規定する必要はないのです。

再三の規定が良いか悪いかは別として,同じことをいっているに過ぎず,改正第十二条後段の表現変更を否定することで,自ずと改正二十一条第二項が否定され,このほか,「公益及び公の秩序」を含む条項についても,その修正を否定することとなると承知しています。

新設の第二十八条第二項ですが,国際人権規約にある公務員のストライキ権をしばらく保留することを念頭にした規定だと思われます。

第四章 国会

どうやら国会法の一部の規定をもってきたようです。第六十四条の二が新設され,政党活動の公正確保及びその健全な発展の努力義務が課せられ,政党の政治活動の自由を保障しています。規定するのが良いのか悪いのか分かりません。

第五章 内閣

第七十三条第六号ただし書の「罰則」を「義務を課し,又は権利を制限する規定」と改めたことは,喜ばしいことです。ただ,罰則が権利を制限することに含まれることとなるかは不明です。

第六章 司法

裁判官が在任中に報酬を無条件に減額されないという規定が改正されています。

第七章 財政

新設の第九十条第三項は,会計検査院の検査報告の内容を予算案に反映させ,国会に対し,その結果について報告する義務を内閣に課しており,大変に支持できます。

第八章 地方自治

もとの第九十二条を蹴って新設した第九十二条についても支持できます。地方自治に関する重要な法律の目的に登場する「地方自治の本旨」ですが,これは,憲法やその他法令において明文化されていませんでした。

第九章 緊急事態

私が見る限りでは,問題はないように思えます。ただ,法律と同一の効力を有する政令を制定できるというのは,いかほどが気になります。

第十章 改正

私の意見としては,仮に国会で一人でも賛成票を投じれば改正発議が行えるとしても,これに国民が待ったをかける能力があるのであれば,議会制民主主義を否定する要素になってしまいますが良いと思います(システム的に。理論はさし措いて)。

ただ,国民投票のときにトータル(一括)で賛成か否か,個別に賛成か否かを投票いただくかが気になるところです。私はトータルよりも個別に賛否を問うた方が良いと思います。国民投票法を拝見しましたが,e-govに載っているのは「(抄)」ということ,官報において全文を確認することができなかったこともあり,その詳細がつかめていません。抄もザッとしか見ていないのでアレですが。

また,現行憲法では憲法の改正があったときは,天皇陛下が国民の名で公布することとなっていますが,憲法改正草案では天皇陛下が公布されるとだけ規定されており,通常の法律と同じ扱いとなっています。

第十一章 最高法規

国民に憲法尊重擁護義務を課されています。先述のとおり自然なことなのかもしれませんが,明文化することに危険がはらんでいます。そもそも憲法の対象が国民にシフトしてしまうおそれが。

また,天皇陛下と摂政の憲法尊重擁護義務が消滅しています。

賛否

自由民主党の憲法改正草案には,賛成できる部分と賛成できない部分があります。国民投票法の全容が知れないので,具体的にいえませんが,個別に賛成か否かを示せるようにしていただければと思います。

また,改正の章と最高法規の章の改正具合を見るに,天皇陛下が国民に対して公布されるという新しい構図を作り出そうとしているように思えます。

お問い合わせは,info@gksdsajdsait.netまで。